「健康って、結局のところ何なんだろう?」
そう思うことが増えたのは、体調を崩したり、病院に行っても原因不明と言われたり、そんな経験をしたあとでした。薬を飲めば一時的に良くなるけれど、根本的には解決していない気がする――そんなモヤモヤを抱えていたとき、出会ったのがこの一冊。
**『エドガー・ケイシー療法のすべて』**です。
初めて名前を聞いたときは、「療法って言っても、スピリチュアル系の怪しい話じゃないの?」と思ったのが正直なところ。でも、実際に読んでみると、びっくりするほど“地に足のついた内容”でした。そして何より、体と心と魂をまるごと見つめ直すきっかけをくれた、人生の転機になるような一冊になりました。
そもそもエドガー・ケイシーって誰?
エドガー・ケイシーは「眠れる預言者」と呼ばれ、20世紀アメリカで活躍した実在の人物。トランス状態(眠っているような意識状態)で、人の病気の原因や治療法を話したとされ、その内容が「医学の知識がないはずの彼にしては正確すぎる」と話題になりました。
ケイシーのすごいところは、「霊的な力で奇跡を起こす」というようなものではなく、とても実践的で自然な治癒力を大切にしていたこと。オイルマッサージや食事、姿勢、呼吸、内臓の働きといった身体的な要素と同時に、心や魂の状態まで見ていたのです。
つまり、単なる医学でもなく、単なるスピリチュアルでもない、「本来の人間の治癒力を引き出すための知恵」が詰まっているのがケイシー療法の特徴なんですね。
読み進めるうちに、体が教えてくれる声に気づく
本書では、ケイシーが行った“リーディング”と呼ばれるセッションをもとに、具体的な健康法がわかりやすくまとめられています。たとえば、
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ひまし油湿布:お腹に温かいオイルをあてるだけで、肝臓や腸の働きを整える
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アルカリ性中心の食事:体内バランスを整えることで免疫力が高まる
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姿勢・循環・排泄の大切さ:リンパや血流の滞りが不調につながるという考え方
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瞑想や祈りの時間を持つこと:ストレスだけでなく、魂の声に耳を澄ますことの大切さ
どれも難しいものではなく、生活の中に取り入れられることばかり。でも、こうした習慣が乱れていたと気づいたとき、自分の不調の原因にも納得がいきました。
ケイシー療法では、「病気は敵ではなく、からだからのメッセージ」と捉えます。
この考え方は、とてもやさしく、そして深いと思いました。今まで私は、体調が悪くなるたびに「なんでこんなことに…」「早く治ってよ」と思ってばかりでした。でも、もしかしたらそれは、体が「もっと大事にして」「休んで」「ちゃんと自分を見て」と訴えていたのかもしれません。
スピリチュアル=怪しい、という思い込みが変わる
正直言うと、「魂がどうこう」と言われると、ちょっと構えてしまうタイプの私。でもケイシー療法では、魂も“人間を構成する大事な一部”として自然に扱っていることが印象的でした。
たとえば、怒りや恨みといった感情を長く引きずっていると、それが肉体に影響して病気になることがある。あるいは、前世のカルマが原因で今の不調があるかもしれない――。
こういう話を聞くと、最初は半信半疑でした。でも、本を読み進めるうちに、「目に見えない世界が、実はすごく現実に影響してるんじゃないか」と感じるようになりました。むしろ、「目に見えるものだけで判断しようとするほうが、狭い世界の見方だったかもしれない」とさえ思えたのです。
自分を「癒す責任」は自分にある
この本を読んで一番印象に残ったのは、「本当の癒しは他人に与えてもらうものではなく、自分の中から生まれるもの」という考え方でした。
もちろん、医療や他人の助けは大事です。でも、自分の体を一番わかってあげられるのは自分しかいないし、自分の心を一番丁寧に扱ってあげられるのも自分自身なんですよね。
ケイシー療法は、「自分自身に責任を持つこと=自分を大切にすること」だと教えてくれました。
こんな人におすすめ
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西洋医学だけでは限界を感じている人
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原因不明の不調に悩んでいる人
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自然療法や代替医療に興味がある人
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スピリチュアルも生活に取り入れてみたいと思っている人
体の声、心の声、魂の声――すべてにやさしく耳を傾けて、自分と向き合う時間を持ちたい。そんなときにぴったりの本です。
読んだあとは、不思議と心と体がゆるんで、「よし、自分をもっと大切にしよう」と思えました。
『エドガー・ケイシー療法のすべて』は、単なる健康本ではなく、“自分という存在全体”を癒していく旅の案内書のような存在です。
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