「エドガー・ケイシー」という名前を聞いたことのある人なら、おそらく一度は目にしたことがあるでしょう。
「訳・光田秀」――この名前。
そうです。光田秀(みつだ しげる)さんは、日本におけるエドガー・ケイシー研究の第一人者であり、多くの関連書籍の翻訳や解説を手がけてきた方です。私も最初に『エドガー・ケイシー療法のすべて』を手に取ったとき、そのわかりやすく誠実な文章にとても安心したことを覚えています。
でも実際にこの光田さんがどんな方なのかは、あまり知られていないかもしれません。今回は、そんな彼の人物像や経歴についてご紹介したいと思います。
科学少年がスピリチュアルの世界へ
光田秀さんは1960年、兵庫県生まれ。
実はもともと彼は、スピリチュアルとは縁遠い理系の学生でした。大阪大学大学院の理学研究科物理学専攻を修了したあと、研究者としての道を歩むかと思いきや、そこから意外な方向へと人生が動いていきます。
大学在学中にたまたま手にしたのが、エドガー・ケイシーの著作だったそうです。これが、彼の人生を大きく変えるきっかけとなりました。科学一筋だった青年が、ケイシーの“リーディング”に心を動かされ、「本当にこんな人がいたのか?」「これは信じるに値するものなのか?」という探究心に突き動かされていきます。
その後、光田さんはアメリカのヴァージニアビーチにある**エドガー・ケイシー財団(A.R.E.)**に自ら赴き、膨大な原資料を読み漁りました。英語も独学で学び、真摯にケイシーの思想と向き合い続けたのです。
ケイシーを日本に伝えるために
1993年、光田さんは日本におけるケイシー研究と実践の拠点として、NPO法人「エドガー・ケイシーセンター・ジャパン(日本エドガー・ケイシーセンター)」を設立します。以降、翻訳や執筆、講演活動などを通して、ケイシーの叡智を丁寧に紹介し続けています。
光田さんのすごいところは、スピリチュアルな内容をただ「ふんわりと紹介する」のではなく、論理的かつ実践的に解説してくれることです。
ケイシー療法にしても、ただ「オイルが効くよ」「瞑想が大事だよ」というだけでなく、体の構造、心理のしくみ、魂の成長という多角的な視点から、丁寧にその意味を伝えてくれます。
また、「信じる・信じない」ではなく、「まず試してみよう」という姿勢を大切にされているのも印象的です。だからこそ、スピリチュアルに馴染みのない読者でも、すっと内容が心に入ってくるのだと思います。
翻訳者ではなく「架け橋」
『眠れる預言者 エドガー・ケイシー』『エドガー・ケイシー療法のすべて』『魂の医学』『リーディング療法実践ガイド』など、光田さんが手がけた翻訳書や著作は数えきれません。そのどれもが、「ケイシーの言葉を正確に、日本語として自然に伝えること」に徹しています。
しかし、光田さんの仕事は単なる翻訳にとどまりません。彼の活動は、まさに「ケイシーと日本人をつなぐ“架け橋”」そのものだと感じます。
現代人は、忙しくて疲れていて、時に心が迷子になります。そんなとき、ケイシーの考え方――「体・心・魂はつながっている」「治癒とは調和の回復である」というメッセージは、とても大きな気づきを与えてくれます。
そしてそれを、ただの“知識”としてではなく、“生活の中で使える知恵”として届けてくれるのが、光田さんの存在なのです。
これからも、静かに灯をともす人
光田さんの語り口は、とても静かでやさしいです。押しつけがましさや、権威的な態度は一切ありません。むしろ「私も一緒に学んでいる」というスタンスで、そっと手を差し伸べてくれるような印象があります。
ケイシーの教えは、「奇跡」や「魔法」ではなく、「自分自身を整えていく日々の積み重ね」の中にあります。それを私たちに思い出させてくれる存在――それが光田秀さんなのだと思います。
これからも、彼の静かだけど確かな灯が、スピリチュアルと現実をつなぐ道しるべとして、多くの人の心を照らし続けてくれることでしょう。
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